ダイアログ・イン・ザ・ダーク感想(2019年11月末)

こんにちは。慶子です。

皆様、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」ってご存知ですか?映画や、本の名前ではありません。

以前インスタやフェイスブックでも感想を書いたのですが、ふと現在の仕事を選んだところに通じる部分がある気がしたので、改めて記事にします。

ダイアログ・イン・ザ・ダークとの出会い

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

この言葉を知ったのは、とても尊敬する方からご紹介頂いた「さよならの先」という本がきっかけでした。

著者の志村季世恵さんが、様々な形でもうすぐ人生の最期の時を迎えようとする方たちと正面から向き合い、寄りそう中で季世恵さんが受け取られた、彼らからの力強いメッセージがつづられたエッセイ集です。

その志村季世恵さんが代表を務めていらっしゃるダイアローグ・ジャパン・ソサイエティが開催しているイベントの一つが、ダイアログ・イン・ザ・ダークです。

ダイアログ・イン・ザ・ダークって?

光を遮断した照度ゼロの真っ暗闇の空間の中で、参加者は見えないまま様々な事に挑戦するイベント。

一切見えない中でアテンドしてくださるのが、視覚障がい者の方です。

以前までは期間限定のイベントでしたが、2019年の秋ごろ、神宮外苑で常設のイベントとして新たにOPENすることになったと知り、ちょうど気になっていた私はタイミングの良さに背中を押され、即チケットを予約しました。

複数人のグループで進められるイベントという事でしたが、一人で参加して他の方たちと同グループになって体験することも可能という事だったので、あえて一人で参加してみることにしました。

ダイアログ・イン・ザ・ダークのテーマが「自分との対話」であり、当時、自分自身の現状にモヤモヤを感じていたこともあり、他の人がどう感じるか、どう思うかという感想は抜きにして、自分が感じたことをそのまま受け止めたかったからです。

人の感想や考え方に影響を受けやすいタイプなのが分かっているため、誰かの感想を聞いてしまうことで、それがあたかも自分の感想だったかのように思ってしまうことも避けたくて。

いざ体験!

予約日の当日、仕事終わりに神宮外苑へ。

とてもきれいな建物の二階が、イベントの会場でした。

受付から、厳かで静かで、空気が違う感じがして少し緊張したのを覚えています。

受付を終えると、一緒に参加する他の参加者さんと共に別室に案内され、説明を聞きます。

そのグループでは、一人参加は私だけで、他は2~3名で参加されていて、合計8名ほどのグループでした。

説明や注意事項の案内が終わると、さっそく徐々に照明が落とされていき、真っ暗に。

あれほどの真っ暗闇を体験したのは初めてでした。

「目の前」という感覚が分からなくなりました。何をもってして「目の前」なのかが分からないのです。

急に不安を感じて鼓動が早くなり、参加したことを後悔しそうになりました。

でも、そこでアテンドさんの優しい声と、他の皆さんの声が聞こえたことで、そばに人が居るんだと感じることができ、何とか恐怖心を抑えて落ち着くことが出来ました。

そうして、いよいよ本格的に暗闇の中へ。

ドアを抜けて、イベントの会場となる隣の部屋に行くのですが、それだけでも大変でした。

ドアの高さ、幅、段差の有無、ドアの先の地面が何か、そもそも地面がちゃんとあるのか、あるとしたらどこまで続いているのか、全く何も分からないのです。

頭や体をぶつけないように、とりあえず中腰になり、背中も丸め、地面が続いていることを確認するためにすり足で一歩ずつ進みます。

全員がドアの先に行けるまで何分かかったのでしょうか。

でもドアを抜けてからが本番。

ネタバレになりますが、そこからは、深さの分からない井戸のようなものに手を入れて水に触れたり、ベンチのようなものに座って足湯をしたり、床の木目を足裏で感じながら、真っすぐ歩いてみたり、見えない中でアテンドさんが丁寧に入れてくれたお茶を飲んだり。

全て真っ暗な中での体験です。一切見えません。

人の存在のありがたさを感じる

暗闇の中での全ての試練は、アテンドさんと、ついさっきまで他人だった皆さんと協力しなければ何一つできません。

アテンドさん(視覚障がいのある方)に関しては、普段なら私たちがお手伝いをする場面が多いはずですが、ここではアテンドさんに頼りっきりです。

国籍も年齢も性別も職業も肩書も、何も関係なく助け合います。

「こっちだよ!!」「ここには段差があるよ!」「私はここにいるよ!」と、情報の発信も受信も両方をバランスよくしていかなければ、成り立ちません。

自分の状況を把握し、伝え、そして相手の状況も把握し、情報を得ることでやっと1歩進める。

それをひたすら繰り返して、暗闇の中で色々と体験していきました。

その日の帰りは、いつもの満員電車が違うものに感じました。

隣の人と常に肩が触れ合っているぐらいの混雑だったのですが、探さなくてもすぐ隣に人が居ることに、安心感と感謝を感じました。

ぶつかる距離に人が居てくれるってこんなに有難いことなのかと。

同じ満員電車でも、状況が変わると感じ方も変わるんだと。

例えば夜、突然電車が途中で停電して止まったら、どれだけ不安でしょうか。

同じ車両に人が居るのか居ないのか分からなかったら、より不安になるでしょうし、誰かいないかと探したり、助けを求めたりするはずです。

そんな時は、すぐそばに人が居ると分かるだけで少し安心できるに違いありません。

勝手なもので、同じ混雑した電車の中でも、状況が変わると自分の感じ方も変わるのです。

アテンドさんとの関係性も、他の参加者の方との関係性もそうだったのです。

バランスと自分を知る事の重要性

あの時、ダイアログ・イン・ザ・ダークのイベント体験後は言葉で表現するのが難しい不思議な気持ち感じていたのですが、少なくとも、それが心地よくて自分にとっては必要な経験だったと感じていました。

その心地よさが何だったのか。

いま、こうして嗅覚反応分析士インストラクターとして仕事を始めて、情報の発信と受信のバランス、そして自分が今置かれている状況や感じ方を知ることの重要性に、嗅覚反応分析と通じるものを感じ、それが心地よいと感じた理由だったんだなと感じました。

私が嗅覚反応分析の虜になったのも、ダイアログ・イン・ザ・ダークで心地よさを感じたのも、納得がいきます。

コロナの影響で、ダイアログ・イン・ザ・ダークのイベントは現在休止されています。

本来なら、今こそ自分との対話や、だれもが対等になれる場、ダイバーシティについて考える場、そして正しい情報の受信・発信が必要なのに、、、という苦しい想いですが、また安心して再開される日を待ちたいと思っています。

投稿者プロフィール

慶子
慶子
アロマをロジカルに使い、心と体のバランスを整える嗅覚反応分析士インストラクター。